酸解離定数(pKa)と溶液の水素イオン濃度(pH)からわかる酸の解離度

2019年1月28日月曜日

有機化学

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酸解離定数とは

の強さを定量的に表すための指標のひとつ。酸性度定数ともいう。酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数 Ka またはその負の常用対数 pKa によって表す。pKa が小さいほど強い酸であることを示す(Ka が大きいことになる)』 -Wikipediaより

のことです。


例えば弱酸である乳酸の pKa は 3.86 であり、強酸である塩酸の pKa は -8.0 です。
たしかに、pKa が小さいほど、強い酸であることがわかります。つまり pKa が小さい値であるほど、酸分子は、水素イオンを離しやすいです。




強酸は水溶液中では、ほとんどが電離して上の図の HCl のようにイオンで存在します。

しかし、弱酸は、上の図の乳酸のような電離反応は(強酸に比べ)進みにくいため、一部が、電離することなく、分子の形として存在しています。

さて、水溶液中ではどれくらいが電離して、どれくらいが電離せず分子として存在しているのでしょうか?

それを教えてくれる手掛かりとなるのが、水溶液の pH と弱酸の pKa です。


●水溶液の pH < pKa の場合
水溶液中には、分子としてたくさん存在します。
イオンの割合 < 分子の割合 となります。


●pKa < 水溶液の pH の場合
水溶液中には、イオンとしてたくさん存在します。
分子の割合 < イオンの割合 となります。



このように pKa と pH の大小から、水溶液中で弱酸が分子かイオン、どちらの形をしているかわかるわけですね。

弱酸が低濃度の時、pH は大きい(水素イオン濃度が低い)ので酸は水素イオンをたくさん放出してイオンになりますが、弱酸の濃度が上がってくると pH も小さくなり、水溶液には水素イオンが既にたくさんあります。なので、「まぁ俺が水素イオン出さなくてもいいか・・・」みたいな感じで分子のまま存在し続けるイメージです。








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