【錯体とは】
金属錯体について。中心の金属イオンまたは金属原子の周りに複数の分子が配位結合により結合している化合物のこと。
配位している分子たちのことを配位子と呼ぶ。配位子は、金属錯体の形や性質を決めるのにかなり重要。
配位子の特定の原子が金属と結合しているわけだが、それを配位原子と呼ぶ。
配位原子は必ず、非共有電子対を持つため、ルイス塩基である。ちなみに中心金属は当然、ルイス酸。
ちなみに、ひとつの配位子には複数の配位原子が含まれる場合があり、多座配位子と呼ばれる。その場合の錯体は特にキレート錯体と呼ばれる。
さて、ここまでが錯体とは何か、の話。
次に、命名法について
【命名法】
錯体には、名前のつけ方に厳密なルールがある。
大切なのは、
①金属原子の酸化数をちゃんと書く
例
[Ag(NH3)2]+
の場合、ジアンミン銀(I)イオンのように銀の酸化数を明示する。
②配位子は化学式の段階では陰イオン→陽イオン→中性分子の順に書く(各グループに複数含まれる場合はアルファベット順に。)が、名前を付けるときは接頭辞は無視して、全配位子をアルファベット順に並べる。
例
[Co(NH3)3(NO2)3]
の場合、
NH3 は ammin
NO2 は nitro
なので(ちょっとスペルに自信はないが)
明らかにアンミンのほうがアルファベット先。
よって、
トリアンミントリニトロコバルト(Ⅲ)
③錯体が陰イオンの時は「酸」とつける
例
[PtCl6]2-
の場合
ヘキサクロリド白金(IV)酸イオン
となる。
【錯体の形】
VSEPR則の時と同じような形になる。
例えば、配位数が3なら、平面三角形か三角錐みたいな感じ。
重要なのは、幾何異性体。
4配位の場合、シストランスが定義できる。これは普通にイメージできる。
6配位の時も、いろんな異性体が存在する
①MA2B4型の場合
六配位なので、八面体なのだが、AがBを挟まずに同じ側にある時はシス型、
Bを挟んで逆側にあるときはトランス型となる。
②MA3B3型の場合
3つのAと3つのBでできる三角形が平行の時、fac型、垂直の時、mer型と呼ぶ。
今日は、ここまで。光学異性体の話やりたかったけど飽きたので、明日からやる。