ファンデルワールス力の要素

2019年2月15日金曜日

無機化学

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分子間には、ファンデルワールス力と呼ばれる弱い引力が働いている。

ファンデルワールス力とは主に3つの要素からなる引力の総称である。

  1. 双極子-双極子相互作用
  2. 双極子-誘起双極子相互作用
  3. 分散力

以下で、それぞれについて詳しく解説する。

双極子-双極子相互作用

双極子-双極子相互作用とは、極性分子間に働く相互作用のことである。

極性分子は電荷の偏りがある。つまり、分子内に正電荷を帯びた部分と負電荷を帯びた部分が存在する。

ある分子の正電荷を帯びた部分と別のある分子の負電荷を帯びた部分同士で静電的に引き合う引力が生じる。

双極子-誘起双極子相互作用

双極子-誘起双極子相互作用とは、無極性分子と極性分子間に働く相互作用のことである。

極性分子は電荷の偏りがあるため、無極性分子がその影響を受けて(誘起されて)双極子モーメントが生じる。

これにより、極性分子と無極性分子間で静電的に引き合う引力が生じる。


分散力

分散力とは無極性分子同士に働く相互作用のことである。

無極性分子であっても、電子は絶えず動き回っているため、瞬間的には双極子モーメントを持つ。

こうして瞬間的に双極子モーメントを持った分子が他の分子を誘起することで他の分子も瞬間的に双極子モーメントを持つことになり、これらが静電的に引き合う。

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