鉄イオン(Fe3+)とアルミニウムイオン(Al3+)の分離についてです。
塩基性水溶液中ではそれぞれ、Fe(OH)3、Al(OH)3の沈殿を形成しています。
前者は赤褐色の沈殿となっており、後者は白色の沈殿となっています。
分離方法
これらを分離する方法ですが、過剰量の水酸化ナトリウム水溶液を加えれば分離できます。
理由は、アルミニウムイオンは過剰量の水酸化物イオンにより錯体を形成し溶解しますが、鉄イオンは錯イオンを形成しないからです。
分離操作により、溶液部分にアルミニウムイオンが含まれ、沈殿部分に鉄イオンが含まれることになります。
確認方法
分離操作により実際に分離できているか確認する必要があります。
まず、鉄イオンの存在を確認する方法です。沈殿に塩酸を加えて沈殿を溶かします。得られた溶液にチオシアン酸(SCN-)を加えて赤血色の溶液となれば存在が確認できたことになります。
次に、アルミニウムイオンの存在確認方法です。溶液に対しアルミノン溶液と酢酸溶液を加えてから、アンモニアを加えて中和します。この際に赤色沈殿が生成すれば溶液にアルミニウムイオンが存在していたことが確認できます。