ハロゲン化アルキルのSn1反応とSn2反応

2017年12月13日水曜日

有機化学

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Sn2反応は、一つの反応に2つの化学種がかかわってくる反応です。
脱離基と炭素の結合に求核剤が攻撃することで反応が進行します。
脱離と攻撃が同時に起こります。
そのため、注意が必要なのですが、立体構造を考えたとき、求核剤は脱離基がいない方向から攻撃します。いると、邪魔されるので。
それゆえ、反応の前後で立体の反転が起こります。

また、反応のしやすさを考えたとき、構造的に、背面から攻撃しやすいような分子のほうがよく反応が進みます。つまり、あまり置換されていないハロゲン化アルキルのほうが反応が進みやすいです。置換されていると、水素よりも大きい置換基が邪魔になって攻撃がしにくいのです。また、脱離基としては当然ですが、脱離しやすいほど反応はよく起こります。(つまり、イオン化しやすいもの、つまり、イオンの状態で安定なもの、ハロゲンでいえば、より大きい分子のもの、つまりヨウ素。大きい分子ほど広い範囲で電荷を共有できるので安定です。)さらに、求核剤としてもより強い求核剤ほど、当然、反応は進行しやすいです。

まとめると、Sn2反応は第一級ハロゲン化アルキル>第二級ハロゲン化アルキル>第三級ハロゲン化アルキル の順で反応が進行しやすく、脱離基としてはより大きい分子量のハロゲンほど脱離しやすく、求核剤としては強い求核剤ほど反応が起こりやすいです。

次に、Sn1反応についてです。
Sn1反応は二つの反応が別々に起こります。
まず、最初に起こる反応は、脱離です。自発的な。
当然、ハロゲン化アルキルのハロゲン(脱離基)は別にその状態で不安定というわけではないので、なかなかこの反応は進行しません。つまり、長い時間がかかります。
しかし、少しは脱離するやつもいます。ハロゲンが脱離すると、ハロゲン化アルキルはカルボカチオンとなり、不安定になります。
そんな中に求核剤があると、一瞬と言っていいほど、すぐに反応が進行します。それよりも大切なのはそもそも脱離するかどうかです。ゆえに、この反応の反応速度を決めているのは最初の脱離が起こる反応とほぼイコールと言えます。よって、反応に一分子しかかかわらないので、Sn1反応と呼ぶわけです。

注意として、中間体であるカルボカチオンは平面構造となっています。それゆえ、求核剤は上からでも下からでも攻撃できます。よって生成物はラセミ混合物(S:R=1:1)となります。

もちろん、求核剤が強いと、求核剤は攻撃し、脱離させますので、この反応が起こるのは求核剤が弱いことがひとつあげられると思います。
また、この反応は中間体として生じるカルボカチオンの安定性がかなり大事です。
脱離して生じるカルボカチオンが不安定なら、脱離は起きませんし、起きたとしても可逆反応なので元に戻ってしまいます。
カルボカチオンの安定性も置換基を考えると、良いです。
今回考えている物質はハロゲン化アルキルなので、置換基があるとしてもそれはアルキル基です。アルキル基は電子供与性です。つまり、電子を与えたがる性質を持っています。
それゆえ、生じたカルボカチオンの正電荷はアルキル基があると、緩和されます。
ゆえに、安定化します。つまり、多置換のハロゲン化アルキルほど反応が起こりやすいです。ちなみにハロゲン化メチルや第一級ハロゲン化アルキルではほぼ起こらないと言えます。よってまとめると、

Sn1反応では、第三級ハロゲン化アルキル>第二級ハロゲン化アルキルの順で反応しやすい。また、脱離しやすいほど反応が起きやすい。













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