第一イオン化エネルギーと電子親和力の例外について

2018年7月13日金曜日

無機化学

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イオン化エネルギーは「陽イオンになる際に必要なエネルギー」なので、エネルギーは小さいほど、イオン化しやすいです。

さて、第一イオン化エネルギーは、基本的に、周期表の右上ほど、大きな値になります。

しかし、これには例外があります。

図を見てもらった方が早いでしょう。


このように、全体的には、さっきのルール通りなんですが、よく見るとちょっと違いますね。

それは、ベリリウム(Be)からホウ素(B)の時と、窒素(N)から酸素(O)の時です。
本来なら上がっていくはずなのに、下がっていますよね。

これには、しっかりとした理由があります。

Be→Bで減少している理由

電子配置を考えてみましょう。ホウ素は2p軌道にひとつの電子が最外殻電子として存在しますね。この電子を失うと、電子数は4となり、1s軌道と2s軌道の電子がすべて埋まった状態になります。つまり、最外殻電子が閉殻となります。閉殻となると安定なので、よりイオン化しやすく、そのためイオン化エネルギーが小さいと言えます。

N→Oで減少している理由

こちらも似たような理由ですが、ちょっと違います。酸素は3つの2p軌道にそれぞれ、2つ、1つ、1つの電子が存在していますね。ここから電子が一つ抜けると、3つの2p軌道にそれぞれ1つずつ電子が収容されていることになり、それは安定的な状態と言えます。そのため、イオン化しやすく、イオン化エネルギーが小さいと言えます。

しかし、なぜ安定的な状態と言えるのでしょうか。各2p起動に含まれる電子の数がポイントです。各2p軌道には一つずつの電子が含まれている場合に比べ、いずれかの2p軌道に2つの電子が含まれる場合、その電子同士で反発します。そのため、安定性が低下するわけですね。

なんか上手く書けていない気がするので書き直します。

ホウ素の2p軌道から電子がひとつ無くなって生じたホウ素イオン(+1)では、電子配置が閉殻となっているため、予想されるよりも安定化する。そのため、イオン化エネルギーはベリリウムよりも小さくなる。

酸素についても、こんな感じに生じたイオンの電子配置という視点からも見れるのですが、どちらかというと、「酸素は2p軌道に4つの電子が存在し、そのうち2つはスピンを逆向きに同じ軌道に収容されている。その2つは反発するため、イオン化エネルギーは小さくなる」という視点で書かれることが多い気がします。



















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