ギブズエネルギーと温度変化

2018年7月17日火曜日

物理化学

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ギブズエネルギーの温度変化について、書いておきます。



(1) 以下の図において, (a), (b), (c)の直線 は, 固体, 液体, 気体のどれに対応するか. 理由とともに述べよ.

(2) A, B の温度はそれぞれなんと呼ばれるか.




このような問題が出たとします。どう答えますか。

感覚的に、(a)が気体、(c)が液体、(b)が固体で、Aは融点、Bは沸点だというのはわかると思います。

しかし、その理由をしっかりと書けと言われると少し難しいのではないでしょうか。
と思ったので、解説しておきます。

(1)

さて、ギブズエネルギー変化dGには次のような関係が成り立ちます。


dG = Vdp - SdT

証明はいろいろなところに書いてあるので省略して、この意味を考えていきたいと思います。

式から、温度が上がるとギブズエネルギーは減少することがわかります。
そして減少の度合いはS(エントロピー)に比例することがわかります。

よって、エントロピーが大きい状態であるほど、傾き(の絶対値)が大きいと言えます。

三態のエントロピーの大きさは 気体>液体>固体 の順なので、
図において、傾きが一番大きい(a)が気体、その次の(c)が液体、最後に(b)が固体に対応していることがわかります。

(2)

(A)より前と(A)より後では、最もギブズエネルギーの低い状態(つまり、安定な状態)が入れ替わっています。(A)より前では固体、(A)より後では液体となっています。よって、(A)は融点であることがわかります。同様に考えると(B)は沸点となります。



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