エポキシドの開環。酸性条件および、塩基性条件での違い。

2017年12月17日日曜日

有機化学

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エポキシドとは三員環のエーテルの総称です。エポキシドは環ひずみが大きく、結構不安定気味です。ってことで反応性も高く、環も開きます。

しかし、相手によってその環の開き方に違いがあります。

【相手が弱い求核剤の場合】
ではまず、相手が弱い求核剤のときを考えます。弱い求核剤相手だとエポキシドは他の何かに釣られてくれないと開きません。それは、プロトンです。

弱い求核剤によりエポキシドの開環反応を起こすためには、
溶液を酸性にしてエポキシドにプロトンを供給する必要があります。
下の図のように、エポキシドの反応性が上がっているのがわかります。




今回の弱い求核剤はCH3OH です。下の反応のように、反応性が上がったエポキシドは弱い求核剤が相手でも環を開いてくれます。


まとめると「弱い求核剤はそのままではエポキシドの開環反応を起こすことができないので、プロトンを供給し、プロトン化してから開環反応を起こす」

【相手が強い求核剤の場合】
では次に、相手が強い求核剤の場合です。強い求核剤相手なら、エポキシドは簡単に環を開きます。



まあ、こんな感じです。反応式を見ると、途中でプロトンが供給されていますが、これは反応途中の話なのでパスします。

化学的には強い求核剤によりエポキシドの開環が起きたら、水溶液中のCH3OHとかH+とかからプロトンを引き抜くって感じです。

以上です。












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