例として、標準状態$(25 ℃, 1 atm)$で、以下の酸化還元反応を考えます。
$H_{2} → 2H^{+} + 2e^{-}$
$\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }O_{2} + 2H^{+} + 2e^{-} → H_{2}O$
$\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }O_{2} + 2H^{+} + 2e^{-} → H_{2}O$
全体としては以下の式にまとめられます。
$H_{2}(g) + \displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }O_{2}(g) → H_{2}O(l)$
この時、生成物 $1 \ mol$ が生成し、 $2 \ mol$ の電子が流れます。
まずは、流れた電子から電気量を計算します。
電気量の計算
ファラデー定数は $9.65 × 10^{4} \ C/mol$ ですね。
電子は $ 2\ mol$ 流れているので、電気量は以下のようになります。
$2 × 9.65 × 10^{4}= 1.93 × 10^{5} \ C$
エネルギーの計算
計算にはギブズの自由エネルギーを用います。
上記の反応の場合、 反応物 $1\ mol$ あたりのギブズ自由エネルギーは
$-Δ_{r}G^{\circ}= 2.37 × 10^{5}J\ $ となります。
この値は、標準生成ギブズエネルギー($Δ_{f}G^{\circ}$)から簡単に求められます。
その方法は別の記事で解説しています。
⇒標準生成ギブズエネルギーの求め方
起電力(電圧)の計算
さて、エネルギー(J)=電気量(C)×電圧(V)と表されるので
電圧(V) = エネルギー(J) / 電気量(C) となります。
よって
電圧(V) = $2.37 × 10^{5}\ / \ 1.93 × 10^{5}$
$= 1.23 V$ となります。